インターネットには、サイトを改ざんする悪意を持つロボットが存在し、完全にこれらの脅威からサイトを保護することは非常に難しいです。しかし、万が一の攻撃に備えて対策を講じることが可能です。定期的なバックアップの取得や、さらにセキュリティ設定を強化することで、改ざんによる被害を最小限に抑えることができます。
サイトが改ざんされた場合、以下のような症状が現れることが多いです。
不正な広告、リンク、またはJavaScriptコードがサイトに埋め込まれ、ユーザーが意図しないコンテンツを閲覧させられます。これは攻撃者がフィッシング詐欺やマルウェアの拡散を目的に行うことが多いです。
通常のページにアクセスすると、自動的に別の不審なウェブサイトに転送されます。これにより、ユーザーは不正なサイトに誘導され、詐欺サイトやマルウェア配布サイトにアクセスする危険があります。
攻撃者が管理者アカウントに不正アクセスし、ログイン情報を変更することで、管理者が自サイトにアクセスできなくなり、攻撃者が完全に制御する状態になります。これにより、さらに改ざんを進めることが可能になります。
攻撃者がサーバーリソースを大量に消費する不正なスクリプトやコードを挿入することで、サイトのパフォーマンスが低下します。これは、サイトの信頼性を損ない、ユーザー体験を悪化させる要因となります。
Googleなどの検索エンジンは、サイトが改ざんされマルウェアなどを含んでいると判断した場合、「このサイトは危険です」という警告を表示します。これにより、ユーザーがサイトにアクセスしなくなり、サイトの信用が失われる危険があります。
このような症状が見られたら、すぐにサイトを停止し、バックアップからの復元やセキュリティ強化を行う必要があります。
レンタルサーバー会社から、サイトの改ざんの可能性について通知が届くことがあります。特に、さくらサーバーやエックスサーバーでは、サーバー上の異常を検知すると、改ざんの警告メールが送られることがあります。この通知を無視せず、早急にサイトの確認と対処を行うことが重要です。サーバー会社からの連絡にはセキュリティに関わる重要な情報が含まれているため、迅速に対応し、必要な対策を講じるようにしましょう。
改ざん被害にあうと焦りや不安が先行してしまいますが、落ち着いて冷静に以下のプロセスを試してみてください。
何よりも大事なのは被害が拡大しないようにサイトの一時停止を試みてください。
改ざんされた内容がユーザーに悪影響を与える可能性があるため、サーバーの管理パネルからサイトを停止するか、メンテナンスモードに切り替えてください。これにより、被害が拡大するのを防ぎます。
最新のバックアップがあれば、すぐに安全な状態に戻せます。特に改ざんされる前のバックアップを使い、サーバー上のファイルやデータベースを復元します。バックアップがない場合、復元が困難になるので、定期的なバックアップが必須です。
サイトの改ざんは多くの場合、脆弱性を狙った攻撃が原因です。サーバーログやセキュリティツールを使用して、どこから侵入されたかを確認しましょう。特に、古いソフトウェアやプラグインに脆弱性があることが多いので、これらの更新が必要です。
サーバーやWordPressのアクセスログを確認し、どのIPアドレスやアカウントが不正な操作を行ったかを調査します。攻撃の時間帯や方法を特定することで、再発防止に役立ちます。
改ざんの原因が不正アクセスであった場合、管理者アカウントやFTPアカウントのパスワードが漏洩している可能性があります。全てのユーザーのパスワードを強力なものに変更し、重要なアカウントには二段階認証を導入しましょう。
ファーストクリエイトは過去に改ざん被害から復旧、対策強化までのプロセス経験は何度もあります。
ご相談の際にお客様に事前に準備いただいておくとスムーズな事項をまとめました。
サーバーのコントロールパネルにログインするための情報は、ウェブサイトの設定変更やセキュリティ対策を行う上で必要不可欠です。管理者パネルにアクセスできれば、バックアップの復元、メール設定の確認、アクセスログのチェックなど、サーバー上での操作を迅速に行えます。サーバー会社から提供されているユーザー名やパスワードを正確に準備しておきましょう。
FTP情報は、ウェブサイトのファイルに直接アクセスし、編集や修正を行うために必要です。特に、改ざんされたファイルを削除したり、サイトのソースコードをチェックする際に役立ちます。FTP情報には、ホスト名、ユーザー名、パスワードが含まれており、サーバーに安全に接続するために不可欠なデータです。
CMS(コンテンツ管理システム)のログイン情報は、WordPressなどのサイト管理画面にアクセスするために必要です。コンテンツの編集やプラグインの管理、テーマの更新などを行う際に使用します。特に、セキュリティ対策を強化する場合や、改ざんされたページを修正する際には、管理者権限でのログインが必要ですので、正確な情報を準備しておきましょう。
バックアップの有無は、復旧作業において非常に重要です。もしバックアップが存在すれば、改ざん前の状態にサイトを素早く戻すことが可能です。サーバーに自動バックアップ機能がある場合は、その最新のものが利用できるかを確認し、手動でバックアップを取っている場合は、その保存場所や最終バックアップの日時を準備しておくと、対応がスムーズに進みます。
一度改ざん被害を受けたサイトは再度攻撃される可能性が高いです。同じ被害が再度発生しないように対策をすることは最重要事項です!
二段階認証(2FA)は、パスワード以外にもう一つの認証要素を追加することで、ログインの安全性を高めます。通常、スマートフォンのアプリやSMSで確認コードを受け取り、そのコードを入力する必要があります。これにより、たとえパスワードが漏れても、二段階目の認証が求められるため、攻撃者による不正アクセスを防ぐことが可能です。管理画面のセキュリティ強化には非常に有効な手段です。
ファイアウォールは、サーバーやサイトへの不正アクセスを防ぐ重要なセキュリティ対策です。Webアプリケーションファイアウォール(WAF)は、特定のIPアドレスや国からのアクセスを制限したり、攻撃のパターンを検出して防ぐ役割を果たします。サーバーやウェブホスティングサービスの管理画面からWAFを有効化することで、リクエストの監視やブロックが自動的に行われます。
SSL証明書は、サイトとユーザー間のデータ通信を暗号化し、第三者による情報の盗聴や改ざんを防ぎます。HTTPSに対応することで、ブラウザや検索エンジンからも信頼されるサイトとなり、SEO効果も期待できます。SSL証明書の定期的な更新や、より強力な証明書の導入は、サイトのセキュリティ強化に欠かせません。
WordPressやプラグイン、テーマなどのソフトウェアは、定期的に更新することが推奨されます。特にセキュリティに関わる脆弱性が発見されると、開発者が修正パッチを提供しますが、更新を怠るとその脆弱性を攻撃者に悪用されるリスクがあります。自動更新機能を活用するか、定期的に手動で確認することで、最新のセキュリティパッチを適用しましょう。
WordPressなどのCMSを利用している場合、セキュリティプラグインを導入することで、サイトのセキュリティが大幅に向上します。これらのプラグインは、不正アクセスの検知、ファイアウォール機能、ログイン試行回数の制限、マルウェアスキャンなど、多くのセキュリティ対策を提供します。代表的なプラグインとして、WordfenceやiThemes Securityがあります。
管理者やユーザーのアクセス権限を定期的に見直すことで、不要な権限を持つアカウントを削除したり、最小限の権限での運用を行います。これにより、攻撃者が乗っ取った場合でも被害を最小限に抑えることが可能です。また、権限の階層化を行い、管理者権限を持つユーザーを慎重に選定することも重要です。
不正アクセスは海外のIPアドレスから発生することが多いため、管理画面へのアクセスを国内IPに限定する設定を行うと効果的です。多くのレンタルサーバーには、このようなアクセス制限を設定する機能があります。これにより、国外からの攻撃を未然に防ぎ、セキュリティが向上します。
企業や組織の場合、管理画面へのアクセスを特定のIPアドレスに制限することが推奨されます。これにより、内部ネットワークや信頼された場所からのみアクセスが許可され、外部からの攻撃を防ぎます。サーバーの管理画面や.htaccessファイルを使用して簡単に設定できます。この方法は、管理画面への不正アクセスを確実に防ぐための有効な対策です。
ウェブサイトが改ざんされた際の対処法として、サイトの一時停止やバックアップからの復元、セキュリティチェックの実施が重要です。サーバーログやアクセスログの確認、パスワードの変更も必須です。また、二段階認証の導入、ファイアウォールやSSL証明書の強化、ソフトウェアの更新、セキュリティプラグインの導入も効果的です。さらに、海外からのアクセス制限や特定IPアドレスのみアクセスを許可する設定も行い、再発防止に努める必要があります。