「WordPressの脆弱性ってどうやってチェックすればいいのだろう?」
「無料で安全に確認できる方法はあるのかな?」
このようなお悩みはありませんか?
WordPressは便利な反面、脆弱性を狙った攻撃が多く発生しています。放置してしまうと、サイトの改ざんや情報漏えいなど、重大な被害につながる可能性があります。
そこで、この記事では、初心者の方にもわかりやすく、WordPressの脆弱性を無料で定期チェックする方法や、おすすめのセキュリティプラグイン、チェック結果に応じた対策までを解説します。WordPressサイトの安全性を高めたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
WordPressを使う際には、脆弱性のチェックを定期的に行う必要があります。なぜなら、セキュリティの甘さを悪用されると、サイトが攻撃の対象となり、重要な情報が漏えいしたり、サイトの信用を失ったりするからです。脆弱性を放置すると、取り返しのつかない被害を受ける可能性があります。
WordPressは、全世界のWebサイトのうち約40%以上で使用されている人気のCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)です。誰でも無料で使え、テーマやプラグインが豊富にそろっているため、個人から企業まで広く利用されています。
多くの人が利用していることは利便性の証明でもありますが、裏を返せば攻撃者にとって効率のよいターゲットになっているということです。特に次の3つの理由から、WordPressは狙われやすくなっています。
とくに脆弱なプラグインやテーマは、セキュリティホール(=攻撃される穴)となる可能性が高く、攻撃者はそれを見逃しません。つまり、WordPressを利用する限り、脆弱性への対策は避けて通れないということです。
WordPressの脆弱性を放置すると、Webサイトはさまざまな被害を受けます。実際に発生している被害の例を知ることで、リスクの深刻さを具体的に理解できます。
たとえば、古いプラグインの脆弱性を突かれてサイトが乗っ取られると、不正なページに書き換えられる可能性があります。その結果、閲覧者にマルウェアを仕込むファイルが配信され、Googleから「安全でないサイト」と判定されることもあります。
一度こうした状態になると、Webサイトの信用を大きく失います。修復にも時間とコストがかかるため、被害が長期化する恐れもあります。脆弱性を放置することは、リスクを抱えたまま運営することに等しいのです。
WordPressサイトの安全性を保つには、定期的な脆弱性チェックが欠かせません。特に初心者でも実践しやすい3つの方法を使い分けることで、セキュリティ対策の精度が大きく向上します。
最も手軽で効果的なのが、セキュリティプラグインを使った方法です。セキュリティプラグインとは、WordPressにインストールすることで、自動的に脆弱性のスキャンや攻撃のブロックを行ってくれる便利な機能のことです。
代表的なセキュリティプラグインには、次のようなものがあります。
これらのプラグインは、ファイルの変更検知、ログイン試行の制限、マルウェアスキャンなど、複数の保護機能を備えています。とくにWordfence Securityは、日本語にも対応しており、初心者でも操作しやすい設計になっています。
セキュリティプラグインを導入することで、専門知識がなくても自動的に脆弱性を検出できる点が大きな利点です。
セキュリティプラグインと併用すべきなのが、オンラインスキャンツールによる外部チェックです。オンラインスキャンツールとは、WebサイトのURLを入力するだけで脆弱性の有無を調査してくれる外部のサービスです。
以下に代表的な無料スキャンツールを紹介します。
たとえばWPScanは、WordPressのバージョンやインストールされているプラグインを分析し、過去に報告されている脆弱性との一致をチェックしてくれます。
オンラインスキャンはインストール不要で、誰でもすぐに使えるのが特徴です。社外からの視点でサイトを確認することで、見逃していたリスクを発見できる可能性が高まります。
より高度な方法として、サーバーログやソースコードを自らチェックする手段もあります。この方法は専門知識を必要としますが、表面的なスキャンではわからない不正アクセスやコードの異常を見つけることができます。
チェックすべき項目は以下のとおりです。
とくにfunctions.phpやheader.phpなど、テーマに関係するファイルは不正コードの入り口になることが多いため、定期的に確認することが重要です。
手動による確認は手間がかかりますが、最も正確に脆弱性を見抜ける方法のひとつです。
WordPressの脆弱性を定期的にチェックするには、信頼できるセキュリティプラグインの活用が効果的です。ここでは、導入実績が多く、評価の高い5つのプラグインを紹介します。どのプラグインも特徴が異なるため、自分のスキルや運用体制に合ったものを選ぶことが重要です。
Wordfence Securityは、最も人気のあるセキュリティプラグインのひとつです。世界中で400万件以上のアクティブインストール数があり、高い評価を得ています。
主な機能は以下のとおりです。
管理画面も直感的で、日本語にも対応しています。インストール後は、初期設定のままでも一定のセキュリティを確保できますが、スキャンスケジュールや通知設定をカスタマイズすることで、より安全な運用が可能です。
Wordfence Securityは、無料版でも基本的なセキュリティ対策が可能な点が大きな魅力です。
iThemes Securityは、100以上のセキュリティ設定を備えた多機能型プラグインです。操作画面がシンプルで、設定の難しさを感じさせません。
導入することで得られる主なメリットは以下のとおりです。
特に「セキュリティチェック機能」により、1クリックで推奨設定をまとめて適用できる点が便利です。高度な対策も段階的に導入できるため、中〜上級者にも向いています。
iThemes Securityは、将来的に有料版への移行も視野に入れて使いたい方に適した選択肢です。
All In One WP Securityは、初心者に優しい設計が特徴の無料セキュリティプラグインです。セキュリティの状態を「低・中・高」の3段階で視覚的に表示することで、現在の安全性がひと目でわかります。
便利な初心者向け機能は以下のとおりです。
難しい専門用語が少なく、設定の解説も丁寧に記載されています。操作ミスによる不具合も起きにくく、リスクの少ない導入が可能です。
セキュリティ対策をこれから始める人にとって、All In One WP Securityは最適な入門プラグインです。
Jetpack Protectは、Jetpackシリーズに含まれるセキュリティ機能です。とくにコードの知識がない方でも、数回のクリックでスキャンを実行できます。
提供される機能は次のとおりです。
Jetpack本体がインストールされている場合、Protectモジュールを有効化するだけで使用可能です。WordPress公式が提供している点も安心材料のひとつです。
Jetpack Protectは、定期スキャンをシンプルに始めたいユーザーに適しています。
Sucuri Securityは、セキュリティの専門会社が提供する高性能なプラグインです。サーバー側のスキャンを行うことで、より深いレベルの問題を発見できます。
注目すべき機能は以下のとおりです。
Sucuriは、クラウドベースのWebアプリケーションファイアウォール(WAF)にも対応しており、有料版ではDDoS攻撃への耐性も強化されます。
高精度な検出と多層防御を重視する場合、Sucuri Securityは非常に信頼できる選択肢です。
WordPressのセキュリティを強化するには、定期的なスキャンが不可欠です。無料で利用できる外部ツールを活用すれば、コストをかけずに脆弱性の確認が可能です。ここでは、信頼性の高いスキャンツールとその活用法、さらにはツールの種類による違いを詳しく紹介します。
WPScanは、WordPress専用の脆弱性診断ツールです。WordPress本体、プラグイン、テーマに存在する既知の脆弱性を検出します。セキュリティ研究機関が提供しており、信頼性が高い点も評価されています。
使い方は非常にシンプルです。
結果は数分で表示され、「重大な脆弱性」「推奨される対策」などが一覧で確認できます。また、無料で利用できるAPIも提供されており、一定回数まで自動スキャンに組み込むことも可能です。
ただし、以下の点には注意が必要です。
WPScanは、WordPressサイトの基本的な安全性を確認するための出発点として有効です。
より広範囲の脆弱性を検出したい場合は、DetectifyやPentest-ToolsのようなWebセキュリティ専門の外部サービスが役立ちます。これらはWordPressに限らず、Web全体の脆弱性を診断できる総合的なスキャンツールです。
それぞれの特徴は次のとおりです。
どちらも無料トライアルが用意されており、最初の診断は費用をかけずに試すことが可能です。ただし、機能の多くは有料版で提供されています。試用後に有効性を実感できれば、有料版への切り替えを検討してもよいでしょう。
DetectifyやPentest-Toolsは、企業レベルのセキュリティを求めるユーザーに適した選択肢です。
スキャンツールには、大きく分けて「オンラインチェックツール」と「ローカルスキャンツール」の2種類があります。それぞれに特長があるため、目的や使用環境に応じて使い分けることが大切です。
種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
オンラインチェックツール | ブラウザ上で動作。URL入力で診断可能 | 手軽に使える/インストール不要 | 検出範囲が表面的/内部の脆弱性に弱い |
ローカルスキャンツール | サーバーまたはPCにインストールして実行 | 内部ファイルまで検査可能/精度が高い | 導入に知識が必要/環境構築に手間がかかる |
たとえば、WPScanはオンライン版もありますが、本来はローカル実行型ツールです。より深い検査が必要な場合は、コマンドライン版を使ったスキャンが効果的です。
目的に合わせて使い分けることで、脆弱性の検出精度を大きく高めることができます。
WordPressの脆弱性対策は一度行えば終わりではありません。サイトの安全を維持するためには、継続的なチェックが必要です。そこで有効なのが、自動化による定期的なスキャンです。ここでは、自動化を実現する方法と、運用の際に押さえておくべきポイントを解説します。
多くのセキュリティプラグインには、定期スキャンを自動で実行できる機能が備わっています。これを活用すれば、毎回手動でチェックする手間を省き、忘れる心配もなくなります。
主なプラグインのスケジューリング機能は以下のとおりです。
プラグインの設定画面で「スケジュール」や「自動スキャン」を有効にすれば、指定した頻度で脆弱性チェックが自動で実行されます。スキャン結果は履歴として記録されるため、過去との比較にも役立ちます。
定期スキャンを設定することで、常に最新の状態を維持でき、突発的な問題にも迅速に対応できます。
スキャンを自動化しても、異常を見逃してしまっては意味がありません。そこで重要になるのが、スキャン結果をリアルタイムで知るための「メール通知設定」です。
多くのセキュリティプラグインには、次のような通知機能が備わっています。
たとえばWordfence Securityでは、「通知設定」から送信先メールアドレスを設定し、通知レベルを選ぶことができます。特定のイベントのみを通知するなど、柔軟な調整も可能です。
通知を正しく設定することで、異常発生時に即座に気づき、被害拡大を防ぐことができます。
セキュリティ対策を一時的な作業で終わらせないためには、組織としてチェック体制を明文化し、運用ルールに落とし込むことが必要です。
運用に取り入れるべきルール例は以下のとおりです。
チェック体制を仕組み化することで、属人化を防ぎ、担当者が変わっても継続的にセキュリティを維持できます。また、他のメンバーとの情報共有にも役立ち、チーム全体のセキュリティ意識も高まります。
チェックを「日常の業務」として定着させることで、継続的なセキュリティ対策が実現します。
脆弱性チェックを行った後は、結果をもとに適切な対策を実施することが重要です。放置すれば攻撃のリスクが高まるため、具体的な行動が求められます。ここでは、特に実施すべき基本対策を3つの観点から紹介します。
チェック結果で脆弱性が見つかった場合、原因の多くは古いプラグインやテーマにあります。とくに更新が止まっているものや、開発元が不明なものは非常に危険です。
対策として、以下の対応を速やかに行いましょう。
たとえば、2022年に発生した「Contact Form 7」旧バージョンの脆弱性では、多くのサイトが不正アクセスの被害を受けました。最新バージョンに更新していれば防げたケースも多かったのです。
安全性の低いプラグインやテーマを使い続けることは、攻撃者にドアを開けたままにするようなものです。
WordPress本体や、動作に必要なサーバー環境(PHPやMySQL)も、定期的な更新が必要です。これらのソフトウェアは、新たな脆弱性が発見されるたびにアップデートされており、古いままだとリスクが高まります。
更新の優先順位は以下の順で確認してください。
特にPHPは、バージョンによっては公式サポートが終了していることもあります。例えば、PHP 7.4はすでにサポート外となっており、セキュリティ修正が提供されません。
動作環境を最新に保つことは、セキュリティを高めるための前提条件です。
パーミッション(アクセス権限)やディレクトリ構成の設定ミスは、思わぬセキュリティホールを生む原因になります。不要なファイルが外部に公開されていたり、誰でも編集できる状態だと、悪意ある第三者の侵入を許してしまいます。
以下の設定を確認・修正しましょう。
特に「wp-config.php」は、データベース情報など重要な情報を含むため、読み取り権限の制御が不可欠です。設定はFTPソフトやサーバーパネルで簡単に変更できます。
適切なパーミッション設定とディレクトリ管理により、不正アクセスの入り口を封じることができます。
WordPressの脆弱性チェックについて調べる人は、関連するキーワードで何度も検索を重ねる傾向があります。ここでは、特に検索されやすい3つのテーマを取り上げ、よくある質問とその回答を解説します。
無料で使える脆弱性チェックの方法として、最も信頼性が高いのが「WPScan」です。WordPressに特化しており、専門のセキュリティ研究機関が運営しています。
ほかにも以下のツールが無料で利用可能です。
重要なのは、ツールを複数使い分けることです。1つのツールだけでは検出できないリスクもあるため、複数の方法で重ねて確認することが信頼性を高めるポイントです。
セキュリティプラグインの選定で迷ったときは、機能や使いやすさを一覧で比較するのが有効です。下記は代表的なプラグインの比較例です。
プラグイン名 | 日本語対応 | 無料版 | 主な機能 |
---|---|---|---|
Wordfence Security | 〇 | 〇 | ファイアウォール/スキャン/通知 |
iThemes Security | △ | 〇 | 2段階認証/ログイン保護 |
All In One WP Security | 〇 | 〇 | 簡単な設定と視覚化された安全性 |
Sucuri Security | △ | 〇 | 高精度スキャン/ファイル整合性 |
比較する際は、自身のスキルや運用体制に合ったものを選ぶことが大切です。まずは無料版を試し、必要に応じて有料機能を導入する流れがおすすめです。
自動化を進めたい場合、セキュリティプラグインと連携できる他サービスの導入も効果的です。以下のようなサービスが、脆弱性スキャンとの連携に適しています。
たとえばWordfenceのメール通知をZapier経由でSlackに送信すれば、セキュリティ担当者だけでなくチーム全体が迅速に対応できます。
他サービスと組み合わせることで、運用の手間を減らしつつセキュリティレベルを高められます。
この記事では、WordPressの脆弱性を定期的にチェックする方法と、その対策について詳しく解説しました。
①脆弱性チェックの重要性と被害例
②セキュリティプラグインや外部ツールによる確認方法
③信頼性の高いスキャンツールとその違い
④チェック作業の自動化と通知体制の構築
⑤スキャン結果をもとにした実践的な対策方法
WordPressの安全性を維持するには、日常的なチェックと適切な設定・運用が不可欠です。手間を減らしながらも効果を高めるには、ツールの併用や自動化が効果的です。今すぐ脆弱性チェックを実施し、サイトを安全に保ちましょう。
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